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バックパッカーの旅Ⅰ(東京~アテネ)

バックパッカーの旅Ⅰ(東京~アテネ)

仲間達との交流

                ≪十月二十四日≫      ―邇―


  今まで旅してきた国々では、いろんな歴史的なことが起こっている。

タイでは、クーデターが起こり、軍事政権が復活したと聞いている。

中国では、毛沢東が死去し、その奥さんがクーデターを起こし、こちらは失

敗したとか。

パキスタンでも、市街で銃撃戦があり、600人あまりの市民が巻き添えを食っ

て惨殺されたらしい。

今にして思えば、いつこういう事態が起こってもおかしくない状況下の国々

を歩いてきたわけである。

それを思うと、すごい旅だったんだなー!と、我ながらヒッチハイカー連盟

の無謀とも思える旅を評価しているのだ。

   今日は、すごい強風が吹き荒れている。

パルテノン神殿には、足を踏み入れることがように、何人かの警備の人が立

っている。

ロープも張り巡らされている。

そのロープに日の丸を括りつけて、パタパタとなびかせていると、警備の人

たちが寄ってきて、外されてしまった。

ちょっと羽目をはずしすぎた・・・・ごめんなさい。

警備員が手を振って、何か言っている。

どうやら、「あっちへ行け!」と叫んでいるらしい。

   午後三時頃、娘の真美ちゃんの手を引いて、会長がパルテノンの丘に

登ってきた。

風も強いし、寒いと言うこともあって、ほんの数分居ただけで下山し、ジョ

セフ・ハウスに集合する。

店が閉まっていて買出しが出来ないため、タベルナへ行く連中と、貯えのパ

ンで食事を済ませる連中に分かれることになった。

玲子ちゃんが、ワインで顔を赤らめて何やら騒いでいると、義理の兄である

会長が言った。

          会長「女の酔っ払いは好かんな!」

       玲子ちゃん「あらッ!私、酔っ払ってなんかいないわよ!」

          会長「女がそういうことを言うこと自体・・・もう酔

            っ払っているという事だ。」

       玲子ちゃん「そうかしら!?でもこれくらいじゃ、まだまだ

            よ!」

   長い夜、仲間達との会話が弾む。

東京・上野公園で集まった連中が、一人の犠牲者も出さず、こうして和気

藹々と大会が無事閉じ様としている。

大成功の記念大会になったのではないだろうか。

最初、会長の家に集まって計画したときは、少なくとも何人かは半信半疑で

集まったkとだろうと思う。

俺がその一人だったからだ。

それがこうして、達成してしまった。

いとも簡単に・・・・。

異国の地で仲間達と、こうして自分達が体験してきた旅の過程を語り合える

すばらしさは、誰にでも出来るということではない。

こういうすばらしい体験を共有できたという自信を持って、無事日本に帰国

したいもんだ。

ここから日本に帰るものもいる。

ほとんどの仲間達がそうだろう。

俺は、ここまできたら・・・・と言う欲が出てきた。

もう二度とないであろう旅。

そんなチャンスを広げたい。

そうヨーロッパ中を自分の足で歩き、肌でヨーロッパを体験してみてみたい

のだ。

楽しい仲間達との会話が弾む。


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